未調整排出係数、基礎排出係数、調整後排出係数とは何か?

新たな概念としての排出係数 経産省と環境省は令和6年11月に「電気事業者ごとの未調整排出係数、基礎排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について」と称する局長通達を発しました。 これらの係数は、いずれも温室効果ガスの排 …

同時市場におけるシャドープライスとは何か?

わかりにくいシャドープライスの概念 同時市場の議論が進んでいます。需給調整市場と卸電力市場とを統合するアイデアであるため、議論が複雑になります。 難しい概念が数多くあるのですが、その一つにシャドープライスがあります。同時 …

経過措置料金のあり方

経過措置料金とは? 経過措置料金のあり方が電力システム改革のテーマとなっています。 経過措置料金とは、2016年の電力市場完全自由化後も継続された、家庭用電力需要に対する規制料金を指します。本来、市場が自由化されたわけで …

LNG長期契約の確保は可能か?

LNG長期契約の必要性は供給不安が契機 LNG長期契約の確保が課題となっています。きっかけは2020年末から2021年始にかけてのLNG玉不足に伴う卸価格の高騰です。厳冬に加えて他電源の停止などが重なり、LNG貯蔵量が極 …

一般担保廃止と資金調達

25年3月の一般担保廃止 電力会社(旧一般電気事業者)の一般担保廃止がいよいよ25年3月に迫ってきました。 一般担保とは電力会社が発行する電力債に対して、起債者である電力会社が保有する資産全般を担保に設定するものです。 …

FIT電源のFIP転換とは

FIT電源のFIP転換(いわゆるFIP成り)が話題となっています。 FIP転換とは、太陽光発電設備に蓄電池を併設し、卸価格の安価な時間帯に充電、高価な時間帯に放電することにより、経済メリットを得て、同時に蓄電池の投資回収 …

電力カルテル このあと、どうなるのか?

電力カルテルの背景 11月25日に、中部電力、中国電力、九州電力の3社に独禁法の不当な取引制限があったとして、公正取引委員会が巨額の課徴金を課すと報じられました。その後、課徴金は合計1,000億円に達したと報じられていま …

電力システム改革 なぜ失敗したのか?

電力の供給不安が高まっています。今冬の供給予備率はマイナス予想(対H1=厳冬高需要)となり、供給不足は継続する見込みです。 なぜ供給不足が発生したのでしょうか? 電力システム改革の失敗が最大の理由です。多くの方々が業界紙 …

EUタクソノミーとは

欧州委員会は2月2日、EUタクソノミーの原子力・天然ガスに関するスクリーニング基準を採択しました。この後、欧州理事会・欧州議会の承認を経て、法制化される運びとなります。 EUタクソノミーは断片的に報じられることが多く、気 …

電力需給ひっ迫とLNG在庫管理

2020年12月から2021年1月にかけて全国的な電力需給ひっ迫が顕在化してます。理由は寒波の中のLNG在庫不足です。 電力広域的運営推進機関は1月6日に非常災害対応本部を設置、一般送配電事業者に対する融通指示、発電事業 …

非効率石炭火力の廃止 政官財のうねり

梶山経産相は7月3日、非効率石炭火力のフェードアウトを発表しました。経産省は7月以降の総合エネルギー調査会小委で具体的な政策を決定する方針です。 まず具体的な政策内容を観てみましょう。 省エネ法の規制強化 非効率石炭火力 …

コロナウイルスと電力需要(6月15日時点)

東京都の外出自粛要請から約3か月が経過し、コロナ禍が電力需要に与える影響が徐々に明らかになってきました。 私たちは当初から、操業・営業停止に伴う工場・オフィス等の需要減と、在宅時間長期化に伴う家庭用需要の増加とを比較し、 …

電気事業法改正2020 (最終)真の狙い

今回の電気事業法改正の最大の眼目は、広域的運営推進機関(OCCTO)に新しく資金調達機能が与えられたことです。OCCTOは本来、自ら設備を建設することはなく、したがって多額の資金調達を必要としない組織でした。しかし今回、 …

電気事業法改正2020(その3) 託送情報

 今回は託送情報(より具体的にはスマートメーターの30分データ)についてみてみましょう。  まず託送情報に関する現在の扱いをふり返ります。現行法23条(禁止行為等)では託送情報の目的外利用は禁じられています。したがってス …

電気事業法改正2020(その2) 料金規制

託送料金には収入上限規制(いわゆるレベニューキャップ方式)が導入されます。電気料金規制は旧来の総括原価・公正報酬主義から大きく枠組みが変わります。これに応じて小売料金(具体的には経過措置料金)も託送料金の転嫁が(値上げを …