電力業界は大きな変革期にあります。
経産省は、安定供給、脱炭素、競争促進など、複数の政策目標を掲げていますが、優先順位が局面により変化し、混乱を招いています。ロシアのウクライナ侵攻も重なり、政策は一貫性と秩序を欠き、中長期的な事業環境を予見することは困難です。
電力システム改革は失敗に終わりました。新規参入と再エネ導入を促進するため、これらを優先する市場システムを作り上げたのです。電源保有者が不利な立場に置かれた結果、投資は停滞し、電源不足が慢性化の兆しを見せています。
多くの関係者が、これらの問題に気づき、改善の必要性を理解しはじめています。電力インフラの混乱を避けるため、電力業界は率先して政策の失敗を克服する責務を負っています。
この混乱の中で、電力業界の進路を正しく予見することが、私たちの使命と考えています。
(2022年12月)